
「ビットコイン」は法定通貨になる必要はない
2020年4月20日
ビットコインはおばあちゃんでも使えるようになる必要がある。
引用:COINTELEGRAPH
NBAダラスマーベリックのオーナーであるマーク・キューバン氏が述べたビットコインに対する懐疑的な発言である。
今のビットコインは10年以上歴史があるが、何か経済的な地位を確立したのかというとキューバン氏が指摘するように”していない”と答えるのが妥当だろう。
しかし、その見解についてもサトシ・ナカモトが2008年に公開したホワイトペーパーと矛盾が生じているような気がしてならない。ビットコインの本来あるべき形と世間体のズレについて、私見(@inogabu)を述べたい。
ビットコインが生まれた理由
ビットコインのホワイトペーパー(論文)を見たことがあるだろうか?多くの人は見たことがないだろう。基本的に論文は英語で書かれているが、日本語訳もあるので概要と結果だけでも見ることをお勧めする。しかもたったの9ページ。
概要:完全なP2P電子通貨の実現により金融機関の介在無しに、利用者同士で直接的なオンライン決済が可能となるだろう。
引用:ビットコイン:P2P 電子通貨システム
論文に「ビットコイン」という言葉はタイトル以外に使われていない。
代わりに「コイン」という言葉が使われているが、それは「コイン=電子署名」と定義されている。
一見、ビットコインを説明する論文と思いきや、中身はP2Pネットワークを用いたトラストレスな電子取引システムの提案を論述している。
つまり、サトシ・ナカモトはP2Pネットワークの使用例を説明するために文字通り仮想の通貨であるビットコインを提案しただけなのだ。もっとかみ砕いていうと、自動販売機が普及するのであれば中に入っている商品が缶ジュースじゃなくても良いということだ。
まとめ
一般的に「仮想通貨=ビットコインおよびアルトコイン」という印象を抱くということは市場を確保したと言ってもいいが、仮想通貨でやり取りするにはP2Pネットワークが先立って普及している必要があることが論文から読み取れることが解った。
例えP2Pネットワークが普及しても電子取引の観点で特定の通貨がやり取りされるとは限らない。
余談
話は変わるが、ビットコインの価値は遅くても2033年にがらりと変わると思っている。それは半減期により約99%が発掘されてしまうからだ。
PoWのままマイニングを続けると2033年には残り1%に値する21万枚を世界中のマイナーが争うことになる。発行上限の2100万枚に達するのは2140年と言われている。残りの100年戦争に参加するマイナーは報酬の少なさから年々減少していくことだろう。
どうしてもビットコインを普及させたいマイナーがいるのなら、膨大な電力を必要としないPoS(Proof-of-Stake)の提案を2033年までに出してくるはずだ。
PoSに半減期の概念はない。むしろ保有した期間によって金利を貰うことができる。おばあちゃんにも理解できる時代がやってくるかもしれない。